ちばリン

おいしもの、あれ?と思ったこと、嬉しかったことなど、ちょっと掘り下げてつづっています♪

【介護の仕事で出あった色々な病気】 肝臓の病気 顔が黄色くなった!?


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こんにちは、介護福祉士のるみです!

 

アラフィフになると、どうしても身体にガタがきますね(^^;)

アラフィフの所長(♂)が先日、いきなり入院することになり、

職場のアラカン(アラウンド還暦)サマたちは、

足が痛いだの背中が痛いだの調子が悪いだの言っています。

 

自分もかなり疲れているのですが、

この頃、歯磨き時に鏡で自分の顔を見るたびに、

なんとなく黄色い気がして嫌な気持ちになっています。

 

黄色って、肝臓やすい臓が悪いシルシなんですよね。

「黄疸」といわれるヤツです。

 

ま、私の場合は気のせいですがーー日焼けだと思うーー黄疸で思い出したことがありますので、今日はそのお話を。

 

一人暮らしのRさんは認知症だったけれど、それだけではなくーー

 

以前、小さなデイサービスで仕事をしていたときの利用者だったR(♀)さん。

 

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介護の仕事なんて特にしたくなかった私は、

「お年寄りが大好き!」というデイのスタッフの考え方はもちろんのこと、

利用者さんたちにも特段の興味がありませんでした。

仕事としてサービスを提供するのであって、

利用者の生活や心に入り込むなんてありえない。

自分に余裕がないのに、仕事時間以外まで利用者に関わるなんて

そんな仕事はヒマな人がやることだと内心で思っていました。

 

※そのときの自分に今の私を見せてあげたい(笑)

 

介護サービスはどうしても利用者の生活や生き方を知ることになります。

ちゃんと線引きして接することができる人と(だからといって冷たいわけではない)、

どうしても感情移入してしまう人がいる。

小さなデイサービスでは利用者との距離がとても近いので、

スタッフもついつい後者、つまり感情的になるケースが多いのです。

 

さて、介護職初期の私は、介護の仕事が怖いと思っていましたので、

利用者を自分の祖父母のように扱う他のスタッフが信じられませんでした。

 

介護の仕事が怖いと思う未経験者は意外と多いんですよ。

「病気を持ったお年寄りのお世話をする」と思うからです。

病気のこと、その人のことを知れば、特に怖いことはないんですけどねー。

20年前は、認知症は手におえない病気で、ガンは苦しんで死ぬ病気、脳卒中はヨダレたらしてだらんとする、というイメージが(介護初心者には)ありました。

 

さて、そこでRさんです。

彼女はまさにその認知症。

アルツハイマーなのかレビー小体型なのか物忘れなのかわかりませんが、とにかく認知症。

いつも笑っているし、ゴハンも普通に食べるし、自分の足で歩くし、話も普通にできるしーーなんで認知症と言われるのか当時の私にはさっぱりわかりませんでした。

それなのに一人暮らしで、身だしなみもさほど悪くない。

ただ、とにかくお風呂に入らない。

ーーこれが認知症のシルシでもあるのですが。

 

他のスタッフが「Rさん大好き!」とハグしたり、自宅まで送るついでに夕飯作ったり掃除や洗濯したりするのを奇怪な目で見ていたのは私です。

※この当時の介護サービスは今ほど厳密でなく、さらに自費サービスも併用できた

 

Rさんの顔が黄色く見える

 

何年かたって、Rさんは体調を崩しがちになりました。

ある日とうとう熱が高くなって、入院することになりました。

 

けっこう長く入院し、退院してまたデイにやってきました。

かなり痩せていましたが、ニコニコするのは変わらず。

でも食が細くなり、大好きだった「食べること」があまりできなくなっていました。

そしてそして。

 

顔が何となく黄色い・・・

 

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こんな感じ

 

介護職は記録を書きますが、事象あるがままを書くので、

この日私が書いた「顔が黄色い気がする」という文言は不可です。

 

ま、とにかく、顔が黄色くみえました。

 

それから週に3回、Rさんはやってきたわけですが、

熱が出てしばらく休んだ後に、またやってきたときには。

 

確かに、顔が黄色い。

 

日本人の顔は多少黄ばんでいますが、それを通り越して、黄色い。

こんなに黄色い肌は見たことありませんでした。

とても驚きましたが、私たちはそんなことおくびにも出さず、

普通に接していました。

 

目の中まで黄色くなって、そして

 

日増しにRさんの黄色は増し、白目も黄色くなっていきました。

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ホントにこんな感じで黄色かった

 

同時に茶碗一杯のご飯も「食べたくない」と言うようになりました。

それでもニコニコしていたのですがーー

 

また、入院しました。

そして、今度は帰ってきませんでした。

 

後から知ったのは、彼女が肝臓がんだったってこと。

そして、認知症だったので、痛いとか苦しいのが理解できず、

表現もできず、ニコニコと食事がとれなくなったのでした。

 

介護サービスの多くが、利用者さんの疾患をあまり重要視しません。

医療情報をもらわない事業所の方が多いかもしれません。

病気で受け入れを拒否するなんて、ありえないから。

どちらかというと、その人の生活や歴史や家族構成などに重点をおきます。

 

このデイサービスで私が学んだことは、

確かに疾患でサービスを提供しないなんてことはありえないけど、

どんな病気を抱えているかで、その人ができることが違ってくるし、

提供できる最良のサービスも違ってくるってこと。

あと、疾患の情報を得て勉強することで、職員の私たちの身を守ることにもなる。

 

Rさんが肝臓がんだと分かっていたら、黄色くなっていく肌に驚かなかったかもしれないし、大好きなゴハンを最期まで食べられるようにできたかもしれない。

お出かけやお祭りも好きだったから、本当は苦しいはずの身体を気遣いながら楽しい活動を提供できたかもしれない。

 

もやもやっとした気持ちを抱えながら何となく介護の仕事をしていた私は、

以後、少しずつ「知る」ことの大事さを学んでいくのでした。

 

次回はどんな病気を持った方のお話をしようかな。