こんにちは、介護福祉士のるみです!
仕事以外は寝たり(笑)食べたりするのが好きですが、音楽の演奏も好きです。
大人になってからユーフォニアムという楽器を吹き始め、地域の吹奏楽団で苦労してやっとマトモに演奏ができるようになりました。
これがユーフォニアムです♪
このことについては別の機会にお話しするとして。
今は主にトロンボーンを吹いています。
ユーフォニアムとトロンボーンは音域とマウスピースが同じなので、吹けることは吹けるのです。
さて、本日はマーラーの交響曲第9番、通称マラ9について書きます。
マーラー9番は美しくて、悲しい
なぜマラ9なのかというと、来年早々に演奏する予定なのです。
ずいぶん前にラジオでNHK交響楽団(N響)の定期演奏会の実況があり、ブロムシュテットという指揮者が振ったマラ9が流れているのを聴いて衝撃を受けました。
なんと美しい!
そしてその数年後、マーラーの故郷ウィーンでブダペスト祝祭管弦楽団の生演奏を聴き、こちらも超感動しました。
なんと美しい!
・・・でもね、最後に超静かに終わるのですが、N響のときもブダペストも、
ケータイ鳴らしたヤツがいた!!!!
許せん(怒)
ーーあ、ちょっと脱線。
マーラーの交響曲って、CDに収めると2枚組になるんですよ。
長いんです。
わ~、盛り上がった~、そろそろ終わるかな~、
と思ったらまた静かになって同じようなこと繰り返して。
シツコイ。
退屈。
特にマーラーが好きでなければ寝ますzzz
だけどこの第9番は、まあシツコイのだけど、美しいのです。
終わりよければすべてよし(ケータイさえ鳴らなければ)。
そして、とても難解。
聴いてて飽きる。
演奏するのも大変。
それを、アマチュアの市民オーケストラが演奏しようとしているので、もう大変。
私は最初、演奏会に出ないで逃げようかと思いました。
色々な事情で結局、舞台にのることにしたのですが、毎日練習してやっと、ちょっと吹けるようになったかな、という感じ。
あ、ちなみに私は現在アマチュア市民オーケストラに所属しています。
バイオリンやホルンやクラリネットとかは、トロンボーンなんかよりずーーーーっと複雑なことをやっているかもしれないけれど、私は私で大変なのよ。
その難解な大曲を、聴くのは好きだけど、演奏する前に逃げたいと思っている私は、逃げるわけにいかないので、せめて練習とか研究とかはしているわけです。
で、やっぱりマラ9は美しい。
そして、寂しい。
マーラーという音楽家について
Wikipediaのマーラーの項より
えー、マーラーというのはオーストリアのウィーンで活躍した音楽家です。
グスタフ・マーラー(Gustav Mahler:1860年7月7日~1911年5月18日)は当時のオーストリア帝国、現在のチェコで生まれました。
マーラーにはたくさん兄弟がいましたが、お母さんも含めて病弱で、半分の7人が早逝。
お父さんは工場を成功させ少し裕福になり、教会で歌ったりアコーディオンやピアノを操る息子(グスタフ)に音楽の才能があると信じて、ウィーンの国立音楽大学に進ませました。
そしてマーラーは36歳でウィーン国立歌劇場の楽長に、38歳でウィーンフィルの指揮者になりました。
これは昔のウィーン国立歌劇場(シュターツ・オーパー)。今も変わらない
41歳でアルマと結婚、2児をもうけ、51歳になる少し前に心臓病と感染症が重なって亡くなりました。
生涯で歌曲やピアノ曲、交響曲を多く作っています。
交響曲に関しては第10番が未完成で残っています。
ベートーベンなどの大作曲家が、交響曲を9つ作ったところで亡くなっているので、ジンクスを恐れたマーラーは第9番目にあたる曲を「大地の歌」と歌曲扱いにしたとか。
いずれにしろ彼は大曲を10個以上作っているわけです。
交響曲でのトロンボーンの役割は「神の声」なの?
オーケストラにトロンボーンは3本しかありません(例外もある)。
80人とか100人の大編成の中で、3本。
ある風刺画に、トロンボーン3本が大音量で吹いてオーケストラのメンバー全員がぶっ倒れた、というものがあります。
それくらい破壊力が強い楽器らしい。
トロンボーンは、教会に入って演奏できた唯一の金管楽器と言われています。
トランペットやホルンじゃなくて、トロンボーンなんですね、不思議。
なので「神聖な」とか「神の」楽器と言われます(ホントか!)
破壊力が強いのに、神の声を表現するとはね(;^_^A
ときどき、しずかーーーな場面でトロンボーン3本が静かに穏やかに和音を奏でることがあります。これが「天からの声」らしい。
このマラ9にもそんな場面があります。
でもトロンボーン3本ではなくて、トロンボーン2本とチューバで「天からの声」を演奏します。
低い音が入る場合は地獄とか不吉なものを表すことが多いらしのいで、この場面も「不吉な天からの声」なのかも。
それ以外は、幸せなメロディーを奏でているバイオリンとかフルートをかきけすように
「おらおら、幸せそうにしてるけど、現実はこうなんだぜ、けっ!」と茶々を入れることのほうが多いような・・・
マーラーの晩年とマラ9最後はシンクロしている?
マーラーは20歳近く年下のアルマと結婚しました。
アルマは芸術を好み、お付き合いする男性はみな後に大成したようです。
マーラーと結婚する前は画家のクリムトと付き合ったこともあったし、有名になる芸術家を見分けるというか、かぎ分ける能力が自然と備わっていたのでしょうか。
アルマ自身も作曲をしましたが、結婚するにあたってマーラーにやめさせられた、というのは有名な話。
けっこう奔放な女性らしいのに、やけに素直に従ったんですねー。
娘を亡くし、夫も病気になって、別の芸術家との不倫疑惑もあったりしました。
そしてマーラーの方は心臓病を患ったり忙しかったり作曲に没頭したりウィーンでゴタゴタあってアメリカで活躍したりと、音楽家として名を残すには充分な活動をしたわけです。
交響曲第9番の作曲中は、体調も崩していたので、ジンクス通り作曲を終えたら死ぬかもとか、若い奥さんが自分から離れて戻ってきてくれないのかも、という不安と戦っていたように思えます。
交響曲第5番の4楽章「アダージェット」は映画「ベニスに死す」で使われて有名になりました。
難解でひねくれて死などの重いテーマを描くマーラーの曲の中で、ひとつの曇りもみられないほど透明で甘く美しいのは、そのころ出会ったアルマへ捧げる愛の曲だとみられています。
そして交響曲第9番の4楽章も、第5番のアダージェット以上に、実に美しい。
美しいのだけど、妙に哀しい。
第5番のアダージェットは「陽だまり」という感じなのに、第9番の4楽章は「夏の終わり」をイメージするんですよね・・・
第9番の4楽章の美しくも儚く哀しいホルンやフルートのメロディにとどめを刺すようにトロンボーンの私たちとチューバが「不吉な天からの声」を差し込むわけです。
ーーもっといい役割を与えて欲しかった、マーラーさん(T-T)
マラ9は気軽に演奏してはいけない
以上、ちっともまとまりがありませんが、とにかく複雑なので、何をしたいのかがなかなか分からないのがマーラーだと、今回いろいろ調べながら私は思いました。
ほんの一音の吹き方を間違えただけでも曲想が変わるくらい、緻密だなーとも思います。
マーラーは楽譜に指示をいっぱい書くことで有名です。
こうして欲しい、こう表現して欲しい、こういうイメージでやって欲しい、ということが全部書かれていますーーしかもドイツ語で(^^;)
下から2段目にはどうやら「最大の音量で響き渡れ」と書いてあるらしい
作曲者の想いがいっぱい詰め込まれている曲を、カッコいいからという理由で安易に演奏しても中途半端に終わりますね。
「んー、何となくマーラーの曲なんだけど、何かが違うよね」って感じ。
そんなわけで、マラ9を演奏するなら心してかからないといけません。
プロじゃないのにムリだよ・・・というわけで、今でも逃げたいと思っているワタシ。